事例紹介
CASES
海外赴任者が安心して活躍できる環境づくりを支える—
語学支援と安全管理セミナーで実践的な学びを!
イオンコンパス株式会社様
目次
- グローバル展開における人材育成課題
- KGCCを導入した経緯と理由
- 実施した研修の内容と成果
- 参加者アンケートの結果
- 今後KGCCに期待すること
1.グローバル展開における人材育成課題
御社では海外赴任される方へのサポートを行っておりますが、どのような課題があったのでしょうか?
中野:近年、企業の海外展開が加速する中で、海外赴任者の育成は多くの企業にとって喫緊の課題となっています。とくに東南アジアをはじめとする新興国への赴任では、言語や文化の壁が業務遂行に大きく影響するため、現地でのスムーズな立ち上げを支える教育体制が求められています。
当社でも、海外赴任者へのサポート体制は整っていたものの、語学の分野だけは社内リソースが限られていました。ビザや渡航準備といった実務的な支援は社内で対応できるものの、現地で使える言葉をどう教えるかという点が課題として残っていました。また語学力以外にも、赴任者の中には「初めて海外で生活する人」が多くおり、生活するうえでの注意点や海外特有のリスクなど、日本では考えられないようなことが起こります。
それに対する意識を向上させることも、当社がすべき顧客へのサポートだと感じていました。
2.KGCCを導入した経緯と理由
何をきっかけでご導入いただけたのでしょうか?
中野:最初の新皇冠体育との出会いは、偶然と必然が重なったものでした。
もともと本社が神田にあり、同じエリアに新皇冠体育の拠点があったことから、以前よりその存在は身近に感じており、語学教育の専門機関としての信頼感、そして多種多様な言語にも対応できる幅広い講師陣を擁している点が決め手となりました。
東南アジアなど、英語以外の言語を必要とする赴任者も多く、現地語(マレー語?クメール語?インドネシア語など)を扱える研修機関を探していました。KGCCはその点で非常に頼もしい存在でした。また、当社はもともと英語力のある社員が多い一方で、赴任先の現地語を学ぶ機会はほとんどありませんでした。そのため、限られた時間の中で、現地で使える最小限の実践力を身につけることを重視し、赴任前の短期集中プログラムとしてKGCCのレッスンを導入しました。
もちろん赴任までに語学力がすごく向上するとは思っていません。赴任初日から現地の言葉で「こんにちは!」と挨拶できるようになってほしい。現地で働くスタッフへのリスペクトの気持ちを伝えてほしい、そう考えています。
3.実施した研修の内容と成果
<研修で学んだ?身についたこと>
- 赴任初日からあいさつをして相手に好印象を持ってもらう
- 赴任国の文化、海外での生活リスクに対する知識向上
- コミュニケーションを行うために必要なマインドセットの醸成
受講者のレベルや目的を把握したうえで、個別にカスタマイズ
現地スタッフとの関係構築をスムーズに
中野:今回実施したのは、【赴任前多言語プログラム】と【海外安全管理セミナー】の2本柱です。
プログラム①:赴任前多言語プログラム(90分×4コマ)
語学研修は、1回90分×4回または1回60分×6回の構成で、実際に赴任前の3月や9月に多くの受講が行われています。内容は、現地での挨拶や自己紹介、簡単な数字?会話など、日常業務や生活に必要な言葉を中心に構成。
初日に片言でも現地語で挨拶できたという成功体験が、現地スタッフとの関係構築をスムーズにする大きなきっかけとなっているそうです。受講者からは「内容が非常に充実していて、現地に到着してからも学びを続けたい」という声が多数寄せられました。実際に、現地赴任後も自主的に学習を継続している赴任者も多く、短時間ながら実用的な効果を感じている様子がうかがえます。運営面でも、オンライン化の定着が功を奏しました。
コロナ禍を経てオンライン受講が標準化されたことで、移動時間を省きながら柔軟にレッスンを受けられるようになり、受講率の向上にもつながっています。
ベトナム語プログラム例)
プログラム②:海外安全管理セミナー(1時間)
赴任先である地域?国の歴史、政治、経済、社会の状況を把握したうえで、ビジネスを展開するのは一丁目一番地です。「日本の常識」が通用しない国外で、リスク管理の観点からもまた将来的なビジネス戦略を立てるうえでも、現地についての基本的な知識を身につけ、さらに理解を深めていくことは欠かせません。
中野:語学研修に加え、海外赴任前の安全管理セミナーもKGCCに依頼しています。海外駐在員が直面する日常的なリスクを理解し、トラブルを未然に防ぐためのプログラムで、特に実際に現地で生活した講師によるリアルな体験談が高く評価されています。テロや戦争といった大きなリスクの話ではなく、日常生活の中で起こり得る「リアルな危険」に焦点を当てている点が良かったです。例えば「同じルートで帰らない」、「親切に見える人の贈り物を受け取らない」など、具体的で現実的な話が印象に残りました。講師の親しみやすい語り口や臨場感あるエピソードは、受講者の心に強く残り、眠くならない講義、実際に役立つ知識として高く評価されました。
<プログラム概要>
【第1部】海外安全管理
- リスクマネジメント
- よくある海外事例
- 海外危機管理の要諦
【第2部】赴任国特有のリスク
- ベトナムの最新事例
- マレーシアの最新事例
- インドネシアの最新事例
4.参加者アンケートの結果
研修に参加された方のご感想はいかがでしたか?
鈴木:赴任前語学研修の受講者からは、「短期間でも実践的で充実した内容だった」「現地で使える表現を身につけられた」といった声が多く寄せられました。英語はある程度できても、東南アジアなど赴任先のローカル言語に触れる機会が少なかった方にとっては新鮮で、現地到着後も学びを続けたいという意欲につながっています。
受講後の満足度は高く、「もっと学びたい」「現地で活かせた」という前向きな意見が目立ちました。また、「スピーキングを重点的に学びたい」、「数字や挨拶など最低限の表現を覚えたい」などの個々の要望を把握し、レッスン内容に反映できたことも好評でした。
受講者一人ひとりのニーズに沿った柔軟な対応が、限られた時間の中でも高い成果につながっています。さらに、オンラインでの受講環境も整備され、忙しい時期でも無理なく参加できた点が好評でした。「移動時間が省け、学習に集中できた」との声もありました。全体を通じて、赴任前の不安を和らげ、現地でのコミュニケーションへの自信を高める機会となったとの評価が多く寄せられています。
5.今後KGCCに期待すること
岡本:当校では、海外赴任前プログラムとして、【語学×エリアスタディ×海外マネジメント×異文化コミュニケーション】を組み合わせて学習することが効果的であると考えています。赴任を成功させるポイントは、初日から現地ローカルスタッフからの信頼を得ること。そのためには、語学だけにとどまらず赴任後の状況や日本との違いを予め想定「リハーサル」し、対応力を高めることです。空港を降り立った瞬間から自信をもって赴任をスタートできる実践型のプログラムです。
中野:仰る通り、語学力だけではなく、海外で活躍するためのスキルをトータルで伸ばしていかないといけませんね。今後は、参加人数や国別の状況に合わせたクイズ形式など、双方向の要素を増やすことで、さらに参加意欲を高める工夫も検討し、当社では「語学×異文化体験」の新たな研修にも期待を寄せています。
鈴木:先日ですが、岡本さんに新皇冠体育?幕張キャンパス内の多文化体験施設MULC(マルク)、SALC(サルク)を見学させていただきました。もしこうした施設を活用することができれば、実際に異文化環境を体感できるプログラムを社員研修や入社イベントに組み込みたいという構想もあります。語学や異文化を軸に、企業研修やイベントにも広く展開できる可能性を感じています。KGCCには、語学教育機関としてだけでなく、「グローバル教育のパートナー」として、これからも柔軟な提案を期待しています。
SALC:/kuis/kuis8/facilities/salc.html
MULC:/kuis/main/campuslife/facilities/mulc/
写真左:新皇冠体育SALC(Self-Access Learning Center)
写真右:新皇冠体育MULC(Multilingual Communication Center)
まとめ
今回のインタビューを通じて見えてきたのは、「語学研修=言葉を学ぶ場」ではなく、現地で信頼関係を築く第一歩」であるということ。赴任者一人ひとりが「現地語で挨拶できる」という小さな成功体験を積み重ねることで、異文化への理解が深まり、企業全体のグローバル対応力が確実に強化されています。語学?異文化?安全、そのすべてを包括的にサポートできるKGCCの取り組みは、これからも企業様を全力でサポートし、グローバル人材育成においてますます重要な役割を果たしていきます。
今回のインタビュアー:神田外語キャリアカレッジ 法人研修部 岡本雄樹
岡本 雄樹 Okamoto Yuki プロフィール
大学の英文科を卒業後、大手英会話スクールとオンライン英会話を経て、2022年に入職。個人顧客及び法人営業の経験から、顧客ニーズに合った学習アドバイスや提案力に定評がある。1児の父として子育てにも奮闘中。趣味は息子と散歩がてら行う公園筋トレ。